書いてあることは、その日の夜ご飯だったり学校でのことだったり本当にとりとめのない内容で、特別なことは何も書いてなさそうだった。

 幼なじみとは聞いていたけれど、本当に小さい頃からリョウちゃんと仲が良かったんだな。

 全く思い出せないその当時のことを知りたくて、私は何のためらいもなく次のページを開く。

 次のページを見た瞬間、私の中で何か電撃が走ったような衝撃に襲われた。


 担当は、しょうた!

 しょうた……?

 しょうたくんの日記は、私やリョウちゃんのものと違って、全て平仮名と片仮名で書かれている。

 字の雰囲気からも、自分たちより年下の子だったのかな。

 すぐその隣のページには、担当はかほ!となっているのを見る限り、きっとこの交換日記は私とリョウちゃんとしょうたくんという男の子としていたものなのだろう。


 しょうたくん……。

 思い出せそうで、思い出せない。

 そもそも、私はリョウちゃんという大切な人がいたという記憶以外、全て消えてしまっているのだからおかしなことではない。

 何とも言えないものが胸の中でモヤモヤと渦を巻く。

 日記を読み進めてみても、しょうたくんが何者かということはどこにも書いてなさそうだ。

 唯一、しょうたくんの日記には“にいちゃん”という文字がしきりに出てきていたから、しょうたくんにはお兄さんがいることだけはわかった。