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 暗がりの中、私の家が見えてくる。

 リョウちゃんの家は、私の家の裏側の通りらしい。

 すぐ近くだからと言って、リョウちゃんは行きも帰りも必ず私を家まで迎えに来てくれる。


「リョウちゃん、私のせいで遅くなっちゃってごめんね」

「いや、いいよ。今日は、うち、母さんも夜勤の仕事だから多分誰も帰ってないし」

「一人なの? 夜ご飯は?」

「まぁ、適当に何か食うよ」


 リョウちゃんの家のことは、実はあまり知らない。

 だけど両親共働きな上に、リョウちゃんのお母さんに関してはシフト勤務なんだそうだ。

 元々の私は知っていたのかもしれないけれど、夏祭りでの事故で、私は一体どれだけのことを忘れてしまったのか。


「もし良かったら、うちで食べてく?」

「……え? いいよ、悪いし。急にお邪魔したら、おばさんも困るだろ?」

「大丈夫だと思うよ。私、ちょっと聞いてみるから、ここで待ってて」


 ちょうど家の前まで来たので、リョウちゃんには家の門のところで待ってもらうように促す。

 今夜は、私が午前中の空いていた時間でお母さんとたくさんカレーを作った。だから、リョウちゃん一人増えたところで問題ないはずだ。

 お母さんに聞くと、少し驚いてはいたけれど快く承諾してくれる。