もしかしたら、兄ちゃんと仲の良かった園田先輩ならその意味がわかるかもしれない。


「VLって聞いて、何か思い当たるものはありませんか?」

「ブイ、エル……? アルファベット?」

「はい、そうです」

 不思議そうにしながらも、園田先輩は僕の言葉に首をかしげて真剣に考えてくれる。


「……ブランドのロゴとか?」

「ブランド……」

 言われてみれば、そんな感じの人気ブランドがあったような気がする……。

 ブランドモノに疎い僕にはイマイチピンと来ないけれど。


「で、そのVLがどうかしたのか?」

「兄ちゃんの生徒手帳の花穂の誕生日の欄にそう書かれてたんです。何か意味があるのかなって……」

「わからないけど、梶原さんの誕生日に書かれてたんなら、梶原さんへのプレゼントのメモとかか? それこそ、VとLのつくブランドモノの何かをプレゼントする予定だった……とか」


 園田先輩の言う通り、兄ちゃんが花穂にVとLのロゴのついたブランドの何かをプレゼントしたいと考えた可能性もゼロではないのかもしれない。

 僕だって、最初にこれを見たとき、兄ちゃんの花穂への誕生日プレゼントのメモだと思ったのだから。

 でも、本当にそうだろうか。