「ねーねー、自由行動、どこ行こっか!」
「あー、また負けたぁ…」
浅葱高校の3年生には、卒業旅行に有名な旅館に2泊3日で泊まりに行く、という大きなイベントが存在する。今はバスでの移動時間。この狭い箱の中には、いろんな声が飛び交っている。着いてからの行動を相談する声、好きな歌について語りあっている声、ゲームで盛りあがっている声。
ーちなみにあの人はこれでババ抜き12連敗だ。
「あ、結衣どーしたの?思い出し笑い?」
クスリ、と笑うと、隣の席の穂花ちゃんがつついてきた。
「違う違う。後ろの方のトランプやってる人、さっきから負けっぱなしだなー、って。」
そう答えると穂花ちゃんは一瞬きょとんとして、それから大笑いを始めた。
「何をいまさら!澤谷がゲーム弱いのは今に始まったことじゃないじゃん!ちょっとー、忘れちゃったカンジ?」
「あ、えへへ。それにしてもだな、って思っただけだよー。すごくない?12連敗って。」
「それもそうだねー。ある意味、神!?」
と、穂花ちゃんが笑ったので私も合わせて笑う。そして、お互いの好きな本の話で盛り上がる。
「またか…また、俺の負けか…」
澤谷くんは、13連敗に記録を更新していた。
「あー、また負けたぁ…」
浅葱高校の3年生には、卒業旅行に有名な旅館に2泊3日で泊まりに行く、という大きなイベントが存在する。今はバスでの移動時間。この狭い箱の中には、いろんな声が飛び交っている。着いてからの行動を相談する声、好きな歌について語りあっている声、ゲームで盛りあがっている声。
ーちなみにあの人はこれでババ抜き12連敗だ。
「あ、結衣どーしたの?思い出し笑い?」
クスリ、と笑うと、隣の席の穂花ちゃんがつついてきた。
「違う違う。後ろの方のトランプやってる人、さっきから負けっぱなしだなー、って。」
そう答えると穂花ちゃんは一瞬きょとんとして、それから大笑いを始めた。
「何をいまさら!澤谷がゲーム弱いのは今に始まったことじゃないじゃん!ちょっとー、忘れちゃったカンジ?」
「あ、えへへ。それにしてもだな、って思っただけだよー。すごくない?12連敗って。」
「それもそうだねー。ある意味、神!?」
と、穂花ちゃんが笑ったので私も合わせて笑う。そして、お互いの好きな本の話で盛り上がる。
「またか…また、俺の負けか…」
澤谷くんは、13連敗に記録を更新していた。