音を立てないようにベランダに着地をする。窓はあらかじめ開けておいたから、入るのは簡単だ。

ゆっくりと窓を開け、部屋の床に降り立つ。中はシーンと寝静まっていた。
当たり前だろう。現在時刻は午前三時過ぎ。いくら卒業旅行と言えど、花の女子高生の夜更かしはお肌の大敵だ。

起こさないようにそろりそろりと歩き、目標の人物の枕元の前で足を止めた。
「…全部、お前のせいだ」
近くにあるテレビの傍に備え付けられてある、非常用の懐中電灯を手に取る。
「お前がいなければ…!」


ありったけの憎しみを込めて、懐中電灯を振り下ろした。