舞台発表の前日、あたしは大きな病院に行った。
『統合失調症』だと診断された。
薬を飲んでひとまず劇場へと向かった。
明日は、本番。
ここで逃すわけにはいかなかった。
「真生!おはよう!」
莉亜が役で演じる衣装を着てあたしの元に走ってくる。
『アノムスメ、オマエノヤクヲトロウトシテイルゾ・・・・・・。』
耳元でアイツの声がした。
『ホラ、ミエテクル。オマエノイショウヲキテ、タッテイルスガタガ・・・・・・。』
そんなこと、あるはずない。
だって、主役を演じるのはあたし。
その時、あたしの目の前に幻が見えた。
莉亜が、私の衣装を着て踊っているのが。
「あ、あぁ・・・・・・。」
いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
あたしは、気を失って倒れた。