目を開けると、私の部屋だった。


今日、本番だ・・・・・・!


早く行かなきゃ!!


そう思い、あたしは大急ぎで支度をする。


「ママ!」


「あぁ。起きたの真生。」


「ママ早くして!遅れる!」


「あぁ。今日のことなんだけどね、さっき電話して体調が悪いから舞台には出られないって・・・・・・。」


え?何それ。


夢が・・・・・・。あたしの夢が・・・・・・。


「なんで勝手なことすんのよ!」


「だって、悪いかと思って。今回は、諦めてまた次の機会に・・・・・・。」


「あたしに次なんかない!!あたしは、あの舞台が勝負なの!!結局、ママは何も変わってない。娘のあたしに夢を押し付けてる!」


「真生・・・・・・。」


「あたし行ってくる。もう、あたしに構わないで!」



あたしは、ママの手を振り払い劇場へと走り続ける。


「ハァ・・ハァ・・・・・・。お、遅れてすみません!!」


視線の先にいたのは、あたしの衣装の服を着てメイクをしている莉亜の姿だった。


「ちょっと莉亜!なんであたしの衣装着てんのよ!!」


「アンタは、用済みだって。橋本さんが。
代役は、私にするって・・・・・・。残念だったね。真生。」


ちょっと待ってよ。


用済みってなんなの?


あたしのやってきたことが全て水の泡になる・・・・・・。


そんなの、許せない!!


「返してよ!!あたしの衣装返してよ!!」


「嫌!離して!!」


取っ組み合いが始まる。


鏡がバリンッと割れる音がした。


ガラスの破片が飛び散る。


(許せない!!許せない!!)


あたしは、莉亜に馬乗り状態になる。


そして、大きなガラスの破片で莉亜の首を刺した。


「ガハッ!!」


グサグサと何度も刺す音がする。


莉亜は、白目を向いたまま動かなくなった。



あたしは、莉亜から衣装を奪って衣装に着替えた。




そして、舞台の幕が上がる。