「きっと、この場所は何年もあって。
二人の秘密の場所だった。

本に写真挟んで、彼女がみてくれたらって叶わないままの、悲恋か。

あは、まるでドラマみたいだよねっ」


なんだろう。
凄く悲しくなる。


伝わらない恋も、、
人を愛する気持ちもまだ、知らない。

だけどーー父の恋に無性に苛立ちが込み上げてきた。


「相手の子もさあ、父に興味がないなら初めから付き合わなければ、良かったのにーー。

悲恋で終わるぐらいならさあ」

私はまだ少し埃のついた本を、撫でた。