「それに、この男の人はーー私の父親かも。
昔のアルバムで見たから。
父はね、ずっと好きな人が居たんだって、

だけど、令嬢でね。
結婚許して貰えなかったみたい」


私、何知らない人に
こんな話ーー。

名前も知らない人に
だけど、彼は何も言わずただ、黙って聞いてるだけ。

「プロポーズしたけどダメだったって。
つまり、こう言うことだよねーー」


私は、本を見せた。


"今でも、君を愛してる"ーーーー。



これが、父のプロポーズだった。