甘くない君と過ごす一日。

「ねえ、何読んでるの?」

すぐ側に居るのに、口を開かない彼女。

それどころか、睨まれる。
「あんたには、関係無くない?」

ホント、可愛くない。

なんでそんな不機嫌なのか、なんかしたかな?

彼女は、読んでいた本を片手に歩き出した。

古びた図書館の割に、いい本がたくさんあるんだ。

彼女の後をついて行く。

「父さんが幸せになれないようにした、金持ちはみんな嫌いよ。
ついて来ないでよ!」

嫌われても、突き放されてもーー
側にいる俺は、本当可笑しいかも知れない。