母さん、見つけたよ。


母さんが会いたかった人。

力強い瞳。
色素の薄い茶色の髪。

相手は女の子だったけどね。
ホント写真の"男の人"に似ている女の子。

別に、男っぽい訳じゃない。
ただ、似ている。

きっと君達は、親子だ。
あの、強い瞳に囚われて離さない。

あー、きっともう手遅れかも。
母さん、俺。
好きになったかも、知れない。

だって、、


「また、会いたい。
明日もあの図書館で、会えるかな。
母さんーー」



栞の様に挟まった写真の中の母さんに
話しかけた。

喋ってくれない
笑いかけてくれるだけの、一枚の写真に。