「たまに思うよ。
 早く死んでおけばよかったと。

 早く死んで、生まれ変わっておけばよかった。
 お前のように。

 長生きしすぎてズレたサイクルがこのまま続きそうな気がする。

 何度生まれ変わっても、永遠に噛み合わない気がするんだ」

 なんの話だとは八咫は言わなかったが。

 それは真生のことのような気がしていた。

 今から死んで生まれ変わっても、八咫は真生よりずいぶん年下になる。

 その噛み合わないサイクルがこの先も続きそうな気がしているのだろう。

「長生きなどするものではないな」

 散々生きておいて、八咫はそんなことを言う。

 でも、と明るい日差しを見つめ、八咫は呟くように言った。