お前、本当に利樹が好きなのか？

　っていうか、その情報収拾能力がこええよ、と思っていると、

「でも、本当にそれが弓削先生を狙っての犯行で、弓削先生がそれを知っているのなら、先生は斗真の家には身を寄せないと思ったの。

　だって、斗真たちにも迷惑かけるかもしれないものね。

　だけど、今日、先生が荷物を持って病院に来たから、なにかあったのかな？　と思ったの」
と真生は言い出す。

「……俺はなにも聞いてない。
　利樹に自分で確認してみろよ」
と言うと真生は少し困ったような顔をしていた。

　未だに二人の間には微妙な距離があった。

　利樹が本当に高坂だという証拠もないせいなのか。

　それとも、ただ、照れているだけなのか……。

　だからと言って、そこに割り込めるかというと、そんなこともない気もするのだが。