「でも、今日、弓削先生は、その斗真の家も出ていったのよね?」
と言った真生が言う。
「……もしかして、狙われてるのは、弓削先生じゃないの?」
「ただの愉快犯的な放火魔じゃなくて、利樹を狙っての犯行だったっていうのか?」
と斗真が訊くと、真生は少し考えながら言ってくる。
「弓削先生に限らずだけど、誰か特定の人物を狙っての犯行だった可能性もあるなって、放火の話を聞いてしばらくして思ったの。
愉快犯なら、次々火をつけそうなものだけど、そんな話も聞かないし。
もしかして、あのアパートの誰かを狙っての犯行かなと思って。
あのアパート、焼けた時点では、満室ではなかったみたいね。
一階は、近所に息子が居る、田舎から出てきた人のいいおばあちゃんと、コミュニティセンターによく居る面倒見のいいおじさん。
二階の西の端は、近くの調剤薬局の温厚な薬剤師さん。
狙われそうなのは、弓削先生くらいかなって思ったんだけど」
「いや、その解釈だと、利樹は悪い奴、ということになるんだが……」
と言った真生が言う。
「……もしかして、狙われてるのは、弓削先生じゃないの?」
「ただの愉快犯的な放火魔じゃなくて、利樹を狙っての犯行だったっていうのか?」
と斗真が訊くと、真生は少し考えながら言ってくる。
「弓削先生に限らずだけど、誰か特定の人物を狙っての犯行だった可能性もあるなって、放火の話を聞いてしばらくして思ったの。
愉快犯なら、次々火をつけそうなものだけど、そんな話も聞かないし。
もしかして、あのアパートの誰かを狙っての犯行かなと思って。
あのアパート、焼けた時点では、満室ではなかったみたいね。
一階は、近所に息子が居る、田舎から出てきた人のいいおばあちゃんと、コミュニティセンターによく居る面倒見のいいおじさん。
二階の西の端は、近くの調剤薬局の温厚な薬剤師さん。
狙われそうなのは、弓削先生くらいかなって思ったんだけど」
「いや、その解釈だと、利樹は悪い奴、ということになるんだが……」