言葉足らずだったか、と思い、付け足した。

「まあ、看護師だろうな、あの場に居たんだから」
と言ったあとで、いや、と利樹は言う。

「わからん。
　秋彦のフェロモンに寄ってくるみたいに、違うテーブルに居た女たちが来て一緒に呑んでいたようだからな」

　どうしょうもないな、あの先生……と斗真が呟いていた。

　斗真は過去の世界では、秋彦には会っていないようで。

　彼の過去を知りながらも、真生とは違って、感覚的に、普通の保健医として、秋彦を見ているようだった。

「まあ、病院内で刃傷沙汰が起こっても、病院だから、大丈夫だろう。
　あいつ、自分で縫えるし」
と言って、

「適当な友だちだな～」
と斗真に言われたとき、理絵が、

「二人ともー、お茶漬けできたわよー」
と呼んでくる。