気がつけば4人とも夢中になってやっていた。


「よっしゃー!」

「げっ!サイアクだぁぁ!」


大人も子供も関係なく、騒いで笑って楽しんだ。


やりながらなんとなく気づき始めた。
もしかしたら自分たちが死んだかもしれないと落ちこんでいた私と康樹君を元気づけるために、誕生日会なんて開いたんじゃないかと……


まだゲームに熱中している康樹君と倉田を置いて、私は台所まで行って洗い物をすることにした。すると、悠真が手伝ってくれた。


「ありがとう」


2人で家事をしていると、まるで新婚のようだ。男同士だが。


もし思い出したらどうなるんだろう。
思い出すことで自分はいなくなってしまうのかもしれない。

それは悲しすぎる。なんで自分がこんな目に遭うのかと悲しくなってきた。


それから……二度と悠真に会えなくなってしまうかもしれない自分が嫌だった。



「橙子、1日遅くなったけど、これクリスマスプレゼント」


いきなりそう言われて、予期していなかったとはいえとても驚いた。


「うっそ……嬉しいありがとう。開けてもいい?」

「うん」


中から出てきたのは、今日発売のCDだった。私の好きなグループ『リアン』のシングル。本当に嬉しい。


「橙子が元に戻ったら、一緒にライブ行こうな」


元に戻ったら……私はどうなるかわからない。もしかしたらこの世にはいないかもしれない。


「うん。約束」


そう言うことしかできなかった。例え、それが叶わなかったとしても……