12月27日。その日、たまたま電話をかけてきた倉田に昨日見た花束のことを相談すると、いきなり彼はこう言い出した。


『今から悠真んち集合。康樹にもそう言っとけよ』

「は?」


相手の都合なんてこれっぽっちも考えていない男は一方的に電話を切った。


仕方なく2人して悠真の家に行くと、そこには悠真とまるで自分の家のようにくつろいでいる倉田の姿があった。


「よぉ。おせーよ」


いけしゃあしゃあと彼は言ってのける。


「これでも早いほうなんだけど。なんなの?突然」


「いや〜昨日俺の誕生日だったのに、誰も祝ってくれなかったからさー……自分で誕生日会を開くことにした」


やっぱり意味不明な男だ。


「一言言ってくれればプレゼント買ってきたのに」

「義務的なプレゼントはいらねぇ」


そう言ってよいしょっと何かを机の上に置いた。自分で買ってきたらしい寿司だった。


「よっしゃ!康樹も遠慮せずに食えよ!俺のおごりだ」