**康樹 side**


橙子さんと竹山奈美の後をまるでストーカーのように俺達二人は追っていた。


「先生がまさかストーカーだったなんて意外です」

「いや、相手が男だったら絶対行かせないけど、女の子相手だったら話は別だよ」


俺から見ても、先生がこの状況を楽しんでいるようにしか見えなかった。


「もしなんかあったらどうするんですか?竹山さん、かなり俺のこと好きみたいだし、勢いでなんかあったら……俺はそのために来てるんですけど……」

「橙子の体で俺って言われるとなんか新鮮だな」

「先生!真面目に聞いてるんですか!?」

「聞いてる聞いてる」


ぽんぽんと俺の頭を叩いて笑う。本当にこの状況がわかっているのだろうか。


「俺がここに来たのは、もし変な連中に絡まれたら俺が助けるため」


横顔を見て、俺は先生の心情がわかってしまい辛くなった。


本当に入れ替わった理由がわからない。俺は橙子さんと面識がなく、やっぱり偶然入れ替わったとしか考えられない。