今日はクリスマスイブということもあって、私は悠真の家に行きいろいろと話すことにした。


悠真が完全に信じているかはわからない。だけど、2人の思い出話に花が咲き、私は一瞬男になっている自分を忘れていた。


「でもほんとになんで入れ替わったんだろ……」

「あ、橙子がいなくなる前、俺顔洗ってたんだけど、そのときなんか悲鳴が聞こえたような」

「えっ!うそ!?」


何かを思い出すように悠真が仰ぐ。


「橙子に今なんか聞こえた?って聞こうとしたらいないことに気づいて……」

「悲鳴……?」


そのとき、何かが頭の中に浮かんできた。それは、道路だった。

悠真の家の横の道。意外に大型車も通る。トラック。鉄パイプ。



「橙子?」


はっとして我に返ると、心配そうな表情で悠真がこっちを見ていた。


「悠真、悲鳴の他に何か聞こえなかった?」

「んー……そのとき顔洗ってて聞こえなかったのかな。蛇口閉めたときに悲鳴は聞こえてきたから」

「そっか……ありがとう」


何かが変だ。何かを忘れてる。わからないけど……