「信じられないのはわかる。いなくなったことですごく迷惑かけたことも知ってる……もう婚約破棄されたってしょうがないって思ってる」

「やだよ、そんなの」


初めて悠真が口を開いた。


「正直ちょっと信じられない……体が入れ替わるなんてドラマの中の世界みたいだし……」

「じゃぁ……、悠真のお尻には昔木から落ちてついたアザが今でも残っている!これは橙子しか知らないことじゃない?」


慌てたように悠真は康樹君を見たが、彼は「俺知らないです」と言ってかぶりを振る。


そのうち悠真はその場にへたり込んでしまった。


「ゆ、悠真……ごめんね」

「いや……結構最悪なことまで考えてたから……とりあえず無事でよかった」


こんなときにまで人の心配をする悠真は優しくてどうしようもなかった。

私は嬉しくて悠真の頭を抱え込んだ。