お互いの大学は違ったが、2人は週末のたびにデートした。


キスだってうまくなった、と私が思いながら唇を合わせていたときに、突然悠真の手が私の腰にまで下りてきた。


「―――っ!?」


さすがに驚いて悠真を見上げると、彼はとまどったようにごめんと謝ってきた。

気がつけば悠真の部屋に2人きりで、しかも今はベッドに腰掛けている状態。シチュエーション的にはばっちりかもしれない。


「も、もうちょっとだけ待ってて……」


小さな声でそう言ったが、怒るかどうか心配だった。


「うん。待ってる」


悠真は優しく微笑んでそう言ってくれた。



本当に待ってくれた。

私の決心がついたのはそれから半年後だったというのに、彼は文句1つ言わないでくれた。


旅行先のベッドに私は横になり、その上に悠真が覆いかぶさる。


「優しくしてね?」


私が頼むと、悠真は私の額に自分の額をこつんと当ててきた。


「うん」


優しい瞳が頷いた。そして、ゆっくりと顔が動きキスが始まった。

悠真の手はまるで割れ物を扱うかのような手つきで優しかった。