最初は長いと思っていた高校生活は、過ぎ去ってみるとあっという間だった。
卒業式が終わってみんなが帰っていく中、私は最後まで帰ろうとはしなかった。
最後の1人になったとき、私はチョークを握って黒板に落書きをし始めた。すでに『みんなありがとう』と書かれた黒板にはそれほどスペースはない。
どれくらいたっただろうか。突然教室のドアが開いて、びくっとして振り返る。そこには、走ってきたのか息が荒い悠真がいた。
私は悠真を見たまま固まってしまった。黒板に『悠真のバカ アホ ボケ 大好き』と書いてある。
「バカ、アホ、ボケで悪かったね」
「い、いや。これは……」
慌てて黒板消しで消そうとすると、それを悠真によって止められる。そして代わりに彼は『悠真』の部分だけ消し、そこに『橙子』と書いた。
「あっ!そっちだってやってるじゃん!」
「読んでみて」
卒業式が終わってみんなが帰っていく中、私は最後まで帰ろうとはしなかった。
最後の1人になったとき、私はチョークを握って黒板に落書きをし始めた。すでに『みんなありがとう』と書かれた黒板にはそれほどスペースはない。
どれくらいたっただろうか。突然教室のドアが開いて、びくっとして振り返る。そこには、走ってきたのか息が荒い悠真がいた。
私は悠真を見たまま固まってしまった。黒板に『悠真のバカ アホ ボケ 大好き』と書いてある。
「バカ、アホ、ボケで悪かったね」
「い、いや。これは……」
慌てて黒板消しで消そうとすると、それを悠真によって止められる。そして代わりに彼は『悠真』の部分だけ消し、そこに『橙子』と書いた。
「あっ!そっちだってやってるじゃん!」
「読んでみて」