出会いは高校2年生のときだった。

たまたま席替えをしたら、悠真の隣の席になり、彼の前が倉田の席になった。それまでお互いにあまり話したことがなかったため、最初はぎくしゃくしていたが、倉田のおかげで悠真とすごく仲良くなることができた。


彼らはとてもモテた。スポーツ万能で、勉強ができて、そのうえルックスもいい。まるで漫画に出てくる男の子のようだ。

だけど、2人は親友でありながら正反対だった。


ちゃらい倉田は、当時いろいろな女とつきあっているという噂が絶えなかった。だけど、悠真は告白されても誰ともつきあわないことで有名だった。



「なんでつきあわないの?」


試しに訊いたみたことがある。


「ずっと片想い中だから」


はっきりと答えた悠真。その一途さに私は惹かれた。心から彼の好きな人が羨ましく思えた。


悠真の好きな人は上級生だとか大学生だとか噂が広がったが、どれに対しても悠真は曖昧にしか答えなかった。


私も訊いてみたくてたまらなかったけど。その瞬間自分の恋が終わることを知っていたから絶対にそれはしなかった。


だらだらと片想いが続き、気がついたら高校生活最後の日、卒業式を迎えていた。