無用心な家だ。私は康樹君に目配せをした。
「えっ!勝手に入ったらいくらなんでもまずくないですか?」
「倉田――いないの?」
返答はない。ただ静まり返った部屋があるだけだ。
「―――橙子……」
そんな声が聞こえてきたのは暗い倉田の部屋からではなく、私と康樹君の背後から聞こえてきた。
振り返るとそこに立っていたのは―――悠真だ。
彼はまっすぐに康樹君を見ている。
バレないように帽子と眼鏡で変装して顔がわかりにくいにも関わらず、悠真は正確に橙子だと判断した。
とうとうバレてしまった。
「えっ!勝手に入ったらいくらなんでもまずくないですか?」
「倉田――いないの?」
返答はない。ただ静まり返った部屋があるだけだ。
「―――橙子……」
そんな声が聞こえてきたのは暗い倉田の部屋からではなく、私と康樹君の背後から聞こえてきた。
振り返るとそこに立っていたのは―――悠真だ。
彼はまっすぐに康樹君を見ている。
バレないように帽子と眼鏡で変装して顔がわかりにくいにも関わらず、悠真は正確に橙子だと判断した。
とうとうバレてしまった。