学校に行くたびに、隣に座る竹山奈美の視線が気になり、私は複雑な気持ちになっていた。


元をたどればなんで自分は男になったんだろう……?

例えばドラマだと、階段か何かから落ちたらその拍子に入れ替わるというのがお決まりのパターンだが、そもそも私は何が起こったのかさえ覚えていない。


戻りたいなぁ……

窓の外を見てぼんやりと考えていると、自分の座る机に何かが投げられたのがわかった。よく見ると、それはノートの切れ端を切った手紙のようだ。


「……?」


先生にバレないように見てみると、かわいらしい字で文字が書かれている。


【あのこと考えてくれた?】


隣の奈美を見たが、彼女は気づかないフリをして授業に専念している。

来たな……とうとうこの時が。


【もうちょっと考えさせて】


そう答えることしかできなかった。奈美を傷つけるかもしれないとドキドキしながら返事を待ったが彼女の返答は、


【うん。ゆっくり考えて】


その言葉に少しだけ安心した。