「約束しちゃっていいんですか!?」


まさか悠真の心がこんなに変わりやすいなんて思わなくて、思わず抗議をしてしまう。


「彼女は騙してなんかないです!絶対に!!」


もちろん自分のことだから断言して言えることだ。


悠真はしばらく無言だったが、やがて少しだけ寂しそうに笑った。


「誰にも言わなかったけど、みんな知ってるんだなー……
湯澤くんは?倉田に聞いたの?」

「い、いや……その……」


もごもごと言うと、また悠真は笑った。


「うん……彼女はそんな人じゃないって信じてる…………。
だけどもし本当にそうだったとしても、俺の気持ちに変わりはないよ。それぐらい好きだ」


こんなセリフ、今まで聞いたことがなかった。だから嬉しくて頬が赤くなるのを俯いてごまかした。


「…………その言葉彼女に言ってあげてください」

「えぇぇ、照れるなぁ。普段だったら絶対言えないけど……また会えるためだったら何度だって言えるよ」


言いたい。自分が吉井橙子だって……だけど信じてもらえないだろう。

なんだか騙しているような気がしてきた。


「不思議だな。湯澤くんにならなんでも話せるような気がするんだ。ありがとう」


その悠真の言葉が嬉しくて切なくて、なんだか涙が出てきそうになった。