「だって……」
「あんなイケメンと付き合えてると思うだけでもお母さんは嬉しいけどね、りーくんのことも可愛がってくれるしいい子じゃない、何でも言わなきゃいけないことないでしょ、毎日色々みんなと話してるのに莉乃にいい忘れなんてあってもおかしくないわよ」
「そんなもの?」
「そうそう中学のことなんてもう気にしなくてもいいのよ、今楽しいんだから考える間があるんならテスト勉強でもしなさい、期末悪かったんだから」
「はい」
莉乃は二階に上がって勉強を始めた
一方和翔の家には中学のバスケ部員が男子四人女子三人集まっていた
「和翔~憧れの全国はどうだったんだよ」
「全国はやっぱり強敵だらけだよ」
「でも青雲倒したんだからなー、俺も青雲いかずに岡島いけばよかった~まだレギュラーどころかベンチ入りも出来ないし」
「尾崎は頭で入れなかったんだろ(笑)」
「まあそうだけどさ(笑)岡島は全くノーシードからの全国だもんな」
「二年が四人しかいないからみんな必死でレギュラーとりたいし全員そこそこ中学で出来た奴が集まったからなチームワークもばっちりだしみんな仲いいぜ」
「それで女子とも仲良くて莉乃と付き合うようになったの?」
咲季が尋ねた
「えっ和翔、高島と付き合ってんの?」
「まあ」
「来るとき会ったぞ」
「部活の帰りだな、今日はお前らくるから俺は母さんに車で迎えにきてもらって買い物行ったから……あっ、やべっ、そう言えば今日のこと話してねえわ」
「なんで声かけなかったんだよ」
「えっ、なんでって……全員じゃないし」
和翔は智津のほうをちらっと見た
智津は気づいていないようだった
「まあ俺らレギュラーしか仲良くなかったからな、先生もメンバー変更とかしなかったしこの五人でどうしてもつるむよな」
「確かにだけど高島と付き合ってるなら呼べば?」
「いや、いいよ」
「莉乃と話したいよ」
咲季が言った
「私も」
もう一人の女子亜友(あゆ)も言った
智津は黙っていた
「智津は?」
「どっちでも……」
「ほら電話しろよ和翔」
和翔は部屋を出て莉乃に電話する
参ったな、みんな俺が智津と付き合ってたこと知らないしな
「もしもし」
「莉乃、今中学のメンバー集まってるけど来る?」
「尾崎くんに会って聞いたよ、女子もいるんでしょ」
「女子が莉乃に会いたいって」
和翔は来ているメンバーの名前を言った
「無理、智津いるなんて絶対っていうか何でいるの?元に戻りたいとか思って来てるんじゃないの?」