「空いてるな、一面でいいんだろ?今ならとれるな」
「じゃあ、連絡してみる、何時にしようか?」
母親がタブレットを見る
「一気にすると集中力が落ちるから二時間練習して、二時間昼休憩の二時間練習後のバーベキューでどう?」
「……母さんが飲みたいだけじゃん?」
「練習の後は飲みたいでしょ(笑)」
「母さんが飲んだら車が一台しか出せないぞ」
「連絡して見る」
和翔はバスケ部男子と莉乃にメールする
‘来月15日土曜、活動センター体育館で練習したい人は連絡して、時間は10時から16時、バーベキューあり’
30分ほどして男子は全員出席の返事だった
「父さん体育館とって、男子は全員参加決定、女子は高島に頼んだからもう少し待って」
「高島さん?バスケ部だった?」
「うん、同じ高校行ったから、あと内谷も」
「内谷さんはお母さんは知らない、高島さんは役員を一緒にしたことがあって知ってるのよ」
「今日、高島と同じ電車になって練習したいって言ってたからさ、俺らもまだまともに練習できないし、だからしたいなと思って」
「高島さんなら車出してくれるか聞いてみようっと、女子を連れていってくれたらお母さんが飲めるじゃない」
「それは母親同士で話してくれるかなー」
「オッケー、話しとく」
15日、学校集合で一年10名が集まった
車が二台並び母親同士話をする
「ごめんね、色々頼んじゃって」
「ううん、莉乃が練習したいって言ったみたいだからこちらこそ時間さいてもらってありがとう、食事は子供達送っていったら買い出ししてくるしまかせて、二人で指導お願い」
松島家に男子部員が、高島家に女子部員が乗って出発する
山のほうにある活動センターは宿泊施設やバーベキュー場、体育館などあり、学校の宿泊訓練などにも利用されるところだ
季節もいい今の時期は家族連れで賑わっていた
「じゃあ、莉乃買い出しにいってくるからしっかり練習しなさいよ」
「はーい」
一年は体育館に集合した
「はい、じゃあ今から30分でランニングとストレッチ、学校でやってるのでいいわよ」
ストレッチをしながら男子達は和翔に質問する
「和翔の母ちゃんが教えてくれんの?」
「ああ、そうだよ、二人とも経験者だけど母さんが仕切る(笑)」
「いいなあ、指導してもらえて」
「厳しいぞ」
ストレッチを終えてパス、シュート練習など基本練習をどんどんたたきこまれる
「はい、流れを止めない、連続パスね、きつくなったら自分で流れから出て水分補給ー」
男子は速い流れで走りながらパスの連続練習をこなす
「女子は正確なパスね、お父さんフォーム直して」
母親の指示は的確であっという間に午前中の練習は終わった