二人はパスタの店に向かって歩く

「先輩みたいに聞いてくれると助かります、私わがままばっかり言ってたからデートしていつも振られちゃうんです」

「多分わがままというより言い方だと思うよ、苦手なものは誰でも少なからずあると思うし穂乃ちゃんの態度とかじゃないかな?穂乃ちゃんの為にデートのプランを立てているかもしれないだろ?それを最初のデートで否定されたら男はショックだよ」

「そうかも……です」

注文を店員がとりにきた

「カルボナーラで」

「僕はミートソース」

パスタが運ばれてきて二人は食べ始める

「あの、クリスマスと部活お疲れ様ってことでプレゼント用意したんです」

穂乃は俊之に渡した

「ありがとう、開けていい?」

俊之がプレゼントを開けると手袋が入っていた

「使わせてもらうよ」

俊之はプレゼントをバックにしまう

「僕ね二ヶ月近く穂乃ちゃんと話してて楽しかったよ、ありがとうね」

「それはもう終わりってことですか?」

「そうだね……」

穂乃は下を向いた

「もうそろそろ仮の付き合いはやめないとね」

「私、駄目でしたか?」

「ちょっと待ってて」

俊之は席を立った



穂乃は楽しかったのにな、やっぱり何か失礼なことしたかな、受験態勢に入るし付き合うことなんて出来ないよね……



穂乃が下を向いていると目の前にネックレスが見えた
俊之が後ろから着けてくれた

「えっ、これ……」

「僕からのクリスマスプレゼント」

俊之は席に座った

「穂乃ちゃん、僕と付き合って下さい」

穂乃は涙が出てきた

「は……い、お願いします、もう終わりかと思ってました……」

「よかった、僕のほうこそ振られちゃうかと思ってドキドキしたよ、受験終わったらたくさんデートしようね、地元の大学受ける予定だから」

「はい」

穂乃は笑った

「もう、僕には敬語使わなくていいよ、その代わり他の人には気をつけること」

穂乃は涙を拭きながら頷いた

「じゃあ約束通りコンタクトにしようかな」

俊之はメガネを外した

「見えるの?」

「うん入れてきた、これはダテ(笑)」

「格好いいです」

「出ようか、書店いきたいんだ、文具と参考書見たい」

「はい」

店の外に出ると二人は手を繋いで書店に向かった