「いえ、あの名前教えてください私は内谷穂乃です」

「僕は増本俊之だよ」

「これからどうすればいいですか?」

「とりあえず救護テントに行って莉乃ちゃんにお礼を言うよ」

「はい」

二人は教室をでた



「莉乃」

「あっ、穂乃ありがとう」

「莉乃ちゃん、さっきはありがとう」

「いえ、予備のメガネがあってよかったですね」

「お世話になりました」

俊之は莉乃に頭を下げてお礼をいう



(三年生なのに頭下げてる……)



「じゃあ穂乃ちゃん今日何か用事ある?」

「いえ」

「じゃあ少し話そう門で待ってて、三年生は片付けあるから少し遅くなるけど」

「はい」

俊之は自分のテントに戻って行った

「莉乃、今日は一緒に帰れない」

「わかった(笑)」



体育祭も無事終わり穂乃は門で待っていた

「穂乃ちゃんお待たせ、少し先に公園があるんだ」

二人は公園のベンチに座った

「じゃあまずは連絡先交換ね」

「はい」

「穂乃ちゃんは何で通学してるの?」

「電車…」

「ん?」

「電車です」

「(笑)僕は歩きで20分くらいかな、あと吹奏楽部の部長をしてる」

「じゃあまだ引退してないんですね」

「クリスマス公演までかな」

「何の楽器ですか?」

「トランペット」

「あまり楽器のことはわかりません」

「僕もバスケのことは授業でやった程度だね」

二人は無言になる



「……穂乃ちゃんがさ、今のままでいいなら只の知り合いになるけどこれからどうする?」

「もし仮にでも彼氏になったらあたしのこと可愛がってくれますか?」

「それは自分の彼女は可愛がると思うけど部活が1日なんだよね、5時までだけど毎日会いたいとか言われると困るかな」

「土日しか会えないんですね……」

「そうなるね」

「……」

「平日は部活あるだろ?」

「バスケ部四人いて三人とも彼氏もいて毎日一緒に帰ってるのみると楽しそうだな~って思うんです、帰りは五人で二組のカップルと帰ってるから私はいてもいいのかなって思う時があります」

「でもそれは電車通学だから仕方ないし僕と話すために待つのは帰りも遅くなるからね、僕は最後に部室閉めなくちゃいけないしみんな色々な場所で練習してるから帰りが遅いんだよね」

「わかりました」

「莉乃ちゃんは彼氏といても穂乃ちゃんとは話さない?」

「それはない……と思います」

「じゃあ一緒に帰るといいよ、危ないからね」