少し離れて下を向いていた男子生徒は莉乃が止まると後ろからぶつかって莉乃は前に倒れ生徒は莉乃の上に乗る

「キャッ」

「すみません」

和翔が走ってくる

「莉乃!お前何やってんだよ、俺の女に……っすみません、その色三年ですね」

和翔は謝り男子生徒と莉乃をおこす

「莉乃、大丈夫か?」

「平気よ、怪我してるからテントに連れていってあげて」

「すみません、わざとじゃなくて見えなくて……」

和翔は手を引いてテントにつれていき座らせる

莉乃は傷口を拭いて絆創膏をはる

「さっきこけたときにメガネが壊れてしまってほとんど見えてなくて手当てしてもらったら予備のメガネを教室にとりにいこうかと……」

「そうですか、すみません」

「和くんありがとう」

「じゃあ俺行くな、今日は一緒に帰れないから」

「わかった」

莉乃は和翔に手をふった

「これで大丈夫だと思います、また剥がれたら来てくださいね、あの教室についていきましょうか?見えないんですよね」

「いや仕事があるのにそれは申し訳ないです、壁つたっていきますから」

「でも階段が危ないですよ」

後ろから声がした

「穂乃がついていこうか?」

「穂乃いたの?」

「うん、もう出番ないし連れていってあげる」

「こら、三年生なんだから敬語使いなさい」

「はーい、じゃあ先輩行きましょう」

穂乃は腕をとった

「ごめんね」

「いえいえ」

二人は校舎の方に歩いていく

「予備のメガネなんて持ってるんですね」

「普段は持ってこないんだけど体育祭だったから一応ね」

「何の競技でこけたんですか?」

「いやー、恥ずかしいんだけど退場の時に後ろの人にぶつかられて前の人に当たらないようによけたら自分がこけたんだ」

「よけれるもんなんですね、すご~い」



三年生の校舎についた

「何組ですか?」

「五組一番奥だよ、えーと穂乃ちゃんだっけ」

「ん?私名乗りました?」

「さっき手当てしてくれたえっと莉乃ちゃんて子が呼んでただろ?」

「あー、そうでした」

「穂乃ちゃんは優しいね」

「あたしそんなことないですよ、暇でウロウロしてただけです、超ワガママですから」

「でも連れてきてくれた」

教室に入る

「メガネないと困るでしょ、先輩イケメンですし、ちょっとおさぼりもしたかったんで」

「ハハッイケメンなんて言われたことないよ、彼女もいたことないし」