莉乃と和翔の母は和翔のほうをじっとみていた

何か考えているようだった

(和翔に火がついた)


母は嬉しくなりビールを一気に飲み干した

「和くん食べよう」

莉乃はニコッと笑顔で話しかける

「あっ、ああ」

「はい、お兄ちゃん、ねえねの作った餃子もっと食べて、あっお兄ちゃんがいっぱいになる」

「和翔でいいよ、理人」

理人の頭をくしゃっとする

「じゃあ和兄(かずにい)?」

「うん」

「顔変わったよ、今はご飯の時間、楽しくねえねの他の料理も食べて」

「ねえねって莉乃のこと?」

「そう」

「可愛いな(笑)じゃあ、ねえねにご飯もらって、理人の焼いた餃子をもっと食うぞ」

莉乃は和翔にご飯をついでくる

「都ちゃん、理人くんて癒し系ね、和翔も手なずけたわ(笑)」

「真剣な顔もカッコいいじゃない、和翔くんは私立の強豪に行こうとは思わなかったの?青雲とか」

「兄ちゃんは青雲いったのよ、私はそこの監督の考えは好きじゃなくてね、性格的に和翔には合わなかったと思う」

和翔はたらふく餃子を食べていた

「食った、こんなに餃子食ったの始めて、旨かった」

「和兄、ゲームしよう」

「いいぜ」

ふたりは部屋を出ていった

莉乃は大人しく餃子を食べていた

「どうしたの?莉乃」

「りーくんに和くんとられた」

「りーくんが退屈よりいいでしょ、あんたも行ったらいいじゃない」

「うん、まぁ」

モグモグと食べ続けていた


「理人、小学生なのに自分の部屋にテレビあっていいな、俺の部屋はないぞ」

「お父さんがテレビ見たいのと、お母さんも友達きたりするとリビングでテレビもゲームも出来ないだろ?だから……」

「なあ、理人、隣の兄ちゃんはよく来るのか?」

「最近はあまり来ないよ、和兄はねえねのこと
好きなんでしょ?」

「よく知ってるな」

「和兄って背も高くて格好いいし、僕友達に自慢しちゃお、ねえねの彼は格好いいんだよって」

「(笑)いい子だな理人は」

理人の頭をなでた


コンコン、理人の部屋に莉乃がやってきた

「私も混ぜて」

「じゃあカートする?」

「俺、したことない」

「大丈夫、普通にしてもねえねには勝てる(笑)」

三人はリモコンを持つ

一位理人、二位和翔、三位莉乃だった

「ほらね、僕ジュースもらってくる」

理人は部屋を出ていった


「莉乃、俺の前に来いよ」

莉乃は和翔の前にちょこんと座る

「理人くるまで練習」

莉乃にリモコンを握らせ一緒に手を動かす

「なあ、莉乃、夏休み中さ、部活が終わって、母さんのノルマが終わっても練習したいからパス出し手伝って」

「それはやる気スイッチが入ったと思ったよ、りーくんでもわかるくらい顔が変わったもん、手伝うけどお母さんにそれなりのメニューを組んでもらえば?」

「まあな」