「私が時間をかけて料理をするのが苦手だからハンバーグでも形がもう作ってあるものを買うのよ、この子だけで3つは焼くわ、餃子も冷凍のを二袋食べるわね」

「育ち盛りだしね今が一番食べる時よ、じゃあ今度うちで餃子パーティーしましょうか」

「餃子を作るんですか?」

「うん、100個以上つくるよ」

「すげー食いたい」

「そうやってお手伝いするから料理もできるようになるのね」

和翔の母は感心していた

「莉乃の手料理食いたい」

「莉乃ちゃんいつでも作りに来て」

「自分が楽(らく)したいだけじゃん莉乃に作らせて隣でビール飲んでるぞきっと」

「理想でしょ(笑)母さん料理苦手だもん、だからダイニングも全然使っていいから」

「はい(笑)」

両親の許しを得て二人は親公認の仲になった




夏休みに入る少し前、部活の予定をもらう

穂乃は予定表を見ながらみんなに聞いた

「休み少ないね、遊びたいのに、終業式の後ってみんな遊べないの?」

「私は無理」

「私も」

「私も、ごめん」

「ひどいー、みんな彼氏とるんだ静香と莉乃だって知らない間に付き合ってるし」

「穂乃、知ってたの?」

「駅で別れて後ろ向いたら頭を抱いて歩いてたもん、穂乃が邪魔なら言ってくれてもいいのに」

「別に邪魔なんて言ってないじゃん、ちゃんと話してるし」

「穂乃、やっぱり最初につき合った和翔がいいなぁ、格好いいし」

「あんた、振られてるでしょ」

絵里がはぁ?というような顔で穂乃を見る

「でも中学のころよりかっこよくなったよね、莉乃」

「……まあ、格好いいよね……」

「でも穂乃、今莉乃と付き合ってるの知ってて軽々しくそう言うのはどうかと思う、本当にまだ好きなら口に出さないで本人に言うべきだよ」

静香がフォローを入れてくれた

静香は自転車置き場でいつも一緒になる一つ上の卓球部の人と、この間から付き合い始めていた

「じゃあ私、先に帰るね」

自転車置き場に走っていく



「穂乃が本当に好きなら告白してもいいよ、今は私の事好きでいてくれるのは自信あるし……でもね、人の事考えずに話しているうちは誰も穂乃の事好きになってくれないよ」

莉乃もはっきりと言った

「莉乃そんなこと言っていいの?穂乃なら言いそうだよ」

「好きになることは止められないから、いいよ」



「お待たせ~、合宿のプリント配られたよ」

篤志と和翔が歩いてきた

「それで遅かったんだ、私らは夏休みの予定表だけもらった」

五人で帰っていく