ピンポーン

莉乃の家族がやってきてベランダへあがる

「ごめんね、料理まかせちゃって」

「全然お互い様よー」

「和翔くんは?」

「いるけど、莉乃ちゃん呼んできて」

「はい」

「都ちゃんごめん、うちのバカ息子がね……」

帰りのことを話す

「うちは住宅街だからね、でもわかってくれたんならいいんじゃない?莉乃も恥ずかしくないってことだから和翔くんだけが悪いんじゃないよ」

「お互いに自覚することだな」

「でもまさか本当に付き合うとはねー、乾杯しよ」

「うんうん」

大人達四人で先に乾杯をする

莉乃は和翔の部屋をノックした

「入るよ、どうしたの?」

「来て」

掌を広げ、莉乃を抱き締めた

「莉乃」

「うん?」

「さっき莉乃とキスしてたの母さんが偶然見てた、付き合うのは反対しないけど外ではするなって、ごめん、莉乃の家のこと考えれてなかった……」

「そう、だったら次から気を付けようね、チュッ……今は二人だからいいでしょ」

「莉乃」

和翔は莉乃にキスをした

「ふふっ、松島くん背が高いから目立つもんね(笑)」

「だから名前で……」

「和翔……やっぱり無理……和(かず)くんでいい?」

「うん、莉乃らしいかも、メシ食おっか」

二人はベランダに出た

「こんばんは、あのちゃんと言っときます、先週から付き合い始めました、通学も一緒にしてます、もう外ではいちゃつきません、すみませんでした」

和翔は頭を下げた

「こちらこそお願いします、莉乃のことよろしくね、ってお母さんがイケメン好きだから和翔くんのこと大賛成よ」

「都ちゃん、乾杯~」

母親二人はまた盛り上がっていた

「食べよ」

食事を終えて少し休んだあと和翔と莉乃は練習を始める

「都ちゃん30分ほど待ってて」

庭におりていき二人に指導する

ストップウォッチを持って時間を測る

「40分かかってる、夏休みまでに30分でこなすこと」

「はい、ハアハア」

「はい、終わり」

三人はベランダへ戻る

プシュと母はビールを開けた

「俺らもジュース、っていうかやるなら食事前にいってくれよ、軽く動こうと思ったのに……横腹痛えよ」

「なさけない、あれくらいでまだ基礎じゃん」

「莉乃はできそうか?」

「頑張る、スピード大事だもんね」

「莉乃は昔からのんびりやさんだもんね」

「腹へった」

また食事を食べ始める

「やっぱり体が大きいとよく食べるわね、和翔くんは何が好き?」

「好き嫌いはないですけど、ご飯に合うもの?米がすきなんで……ハンバーグとか一口肉入れたらご飯をガンガン食うって感じですね」