次の日の夕方4時から和翔ら一年の自主練習が始まった
「くっ、きつ」
篤志が一番に弱音をはく
「まだまだ、もっとパスを早く正確に、そこ流れ止めない」
前回とは違って今日は母の激が飛ぶ
「五分給水」
男子はみんな肩で息をしていた
莉乃が外へ出ていく
莉乃バテたのかな?
和翔は追いかけて出ていこうとした
「和翔、おいで」
「はい」
大丈夫かな、入り口をみながら母親のアドバイスを聞く
「男子集合、ランニングシュート30分、シュート外したら列からぬけて腕立て伏せ10回してまた列に復帰ね、用意スタート」
「女子は3ポイントシュートの練習、お父さんフォーム直していって」
母親は外に一度出ると莉乃と一緒に入ってきた
莉乃もシュート練習を始める
終了時間が近付いてくる
「女子片付けして、男子はこっち」
体育館前に集合さす
「この間は様子見だったけど、この学年は強くなれるよ、この夏しっかり体力作ったら新人戦でものになる、全国も狙えるよ、わかった?」
「はい」
「走るのは一人でもできるから1試合止まることなく走れる体力をつけたものがレギュラーとれるからね、みんなで練習したら自分に足りないものは何かよくわかるはず、他の人のプレイもよく見ること」
「ありがとうございました」
「片付けはもう終わるから着替えていいよ」
莉乃が声をかけて体育館を後にした
夜、和翔は莉乃に電話した
「今日、体調悪かった?」
「あー、うんアレになっちゃって、たまにひどい時があるんだ」
「俺が刺激したからか?」
「それはちょっとわからないけど……」
「明日から一緒に登下校したいんだけど」
「いいよ(笑)」
「じゃあ朝迎えに行く、ゆっくり休めよ」
「うん」
次の日から二人は登下校を一緒にするようになり篤志と絵里も同じ車両に乗るようになった
放課後部活終わり穂乃も加わり五人で帰る
「男子はキャプテンは予想通りだった?」
今日から三年の引退と共に新キャプテンが選ばれていた、絵里の質問に篤志が答える
「んー、ちょっと意外だったかな、まあ俺らにはわからない何か要素があるんだろうな、女子は?」
「予想どおりだと思う」
「穂乃、あの先輩嫌」
「穂乃、そういうこと言わないの、いい人だよ」
「ほら、莉乃だって認めるでしょ」
「まあね」
絵里の降りる駅で二人は帰っていった
「先輩達は男女とも四人ずつだからレギュラー取りたいからこれから頑張らないと」
莉乃はやる気満々だったがお腹を押さえている時もあることを和翔は見ていた
駅から三人は出た
「じゃあね、穂乃」
二人に手を振ってから後ろを振り返った穂乃
「あっ、莉乃……」
和翔が莉乃の頭を引き寄せて歩いていた
えっ、二人って……くっついた?
穂乃はしばらくじーっと二人の後ろ姿を見ていた