莉乃は仰向けに横になって片膝を立てる
和翔は莉乃の足首を立てて自分の膝にあてた
「深呼吸して」
「ふぅ」
力が抜けた瞬間に足首を上から押さえる
ぽきっ
「鳴った」
「うん、反対も」
「ふぅ」
ぽきっ
「どう?」
「軽い~何いまの?」
「これは整体の先生から教えてもらった、次はうつぶせ」
「はい」
和翔は足首をクルクルまわした後足を揃えた
「ゆがんでる、足の左右の長さが違う」
「えーすごい松島くん、詳しいね」
和翔はマッサージをしていく
「母さんは実業団にいたんだよ、怪我して引退したから俺と兄貴は体のケアは散々言われた、一時間くらいはストレッチはするなー、お尻触るよ、ここ大事なんだよ、大臀筋(だいでんきん)、ここほぐすと下半身が楽になる」
「すごい、そんな筋肉聞いたことない(笑)」
「次また仰向け、ゆっくりな」
莉乃は仰向けになる
「足開けれる?俺の足が入るくらい」
「恥ずかしいよ~」
莉乃は顔を手で覆った
「止める?」
ゆっくり足を開いた
「ウエストの下押すから、こそばくて無理なら言って」
「うん」
(あー気持ちいいかも、ちゃんとツボはまってる)
(恥ずかしいとか可愛すぎるんですけど……)
「あまりするとしんどくなるからこのくらいで、また来週上半身のストレッチとか教えちゃる」
「ありがとう」
ピーピーとご飯の炊けた音が鳴った
「テレビでも見てて」
ダイニングにいく
莉乃は夕食を作りながらソファーにいる和翔を見ると頭がユラユラしていた
(寝たらヤバイんじゃない?)
莉乃は火を止めてソファーに行くと和翔はリモコンを持ったままウトウトしていた
「ねえ、起きて」
莉乃はパンチを警戒して肩を叩く
和翔の頭が莉乃の胸にボスッと倒れた
「お、重い、起きてよ、こける」
莉乃は後ろに倒れそうだったので和翔の首に腕を回して堪える
く、苦しい、息が……
和翔は目を開けた、和翔の目の前は莉乃のTシャツの真っ黒い視界だった
柔らかい~、和翔は頭をふった
「起きて……倒れちゃう」
和翔は莉乃の腰を持った
「ご飯だけど」
和翔は顔を埋めたままで答える
「うん、目開けたら黒くてびっくりした、Tシャツだった(笑)柔らかい、ノーブラだ」
「だから黒にしたのに」
「黒だってわかるよ、見れば形がくっきりだったし」
腰に回した片手が黒いTシャツを目繰り上げた