「えー」
三人は小声で一気、一気と小さく拍手をする
ゴクゴクと和翔は一気に飲んだ
「っくー、ゲップ、ゲップ」
莉乃は背中をさすった
「ごめん」
絵里の携帯が鳴った
「あっ、お母さんからだ、家の近くで不審者情報が入ってきたからあまり遅くならないようにだって、えーこわい」
「お前なら相手が逃げていくんじゃない?」
「ひどーい、一応女ですぅ、うちの周り外灯少なくて暗いんだよね、こわっ」
四人は店を出て電車に乗った
絵里の降りる駅につく
「俺、長野を送っていくよ」
「でも、遅くなるよ」
「男だし、平日のほうがもっと遅いから平気、怖いんだろ?」
「うーん、まあちょっと」
「じゃあな」
二人は降りていった
和翔らも駅に着く
「絵里があんなに話したの初めてだよ」
「へぇ、篤志が話しやすいのかな」
「遠慮なく言ってたよね(笑)」
「ああ、朝からいい感じだと思ってたんだよ、いい報告が聞けそうな気がする」
和翔は嬉しそうだった
「川崎くんは……」
「もう、頭にないだろ(笑)直哉とは合わないと思う、あいつ本好きなんだよな、おとなしいタイプが好きそう、まあ優しい印象があるからそこそこ女子受けするかも」
「あっ、じゃあここでいいよ」
「家まで送る」
「ありがとう……」
莉乃の家につく
「莉乃」
「お兄ちゃん」
「お兄ちゃん?」
「あっ隣のお兄ちゃんなの、大学のバスケ部だよ」
「君も岡島高のバスケ部?」
「はい」
「今日二人顔だしてなかった?」
「来てました」
「莉乃の彼氏?」
二人は無言で赤くなる
「ハハッかわいいな、また練習に顔出すときはよろしく」
「はい」
隣の家に入っていった
「何年生?」
「二年」
「兄貴の一つ先輩か」
「そうだね、中学一緒だからね、じゃあありがとう」
「待って……そのごめん」
「何が?」
「さっきの人に彼氏?って聞かれたのに答えれなかった」
「あー、なんか微妙だしね、気にしないよ」
「はぁ、胸まで触って首にキスまでしたのに付き合ってないって俺ひどい奴だよな」
「……」
「でもだから付き合おうって言うとお前に悪い気がして、軽いノリみたいになりそうで……お前のこと好きなんだけど付き合うのはもう少し待って……」
「……うん」
付き合うんだ………
「嫌ならあんなことしないし、親に昨日軽く言われたから余計その流れでっていうのは……」
「わかった、私も嫌ならひっぱたいてると思うし、もう少し二人で頭の整理しようね」
「そういってもらえると有り難い」
「じゃあ明日ね」
和翔は帰っていった
莉乃は和翔の後ろ姿をみつめる
好き……ではあるんだ……フフッ
莉乃は姿が見えなくなると家に入った