朝5時
(気持ちいい、やわらかい……おもち……)
和翔は夢の中でおもちを触っているような感覚だった
莉乃はパチッって目を覚ます
(何?揉まれてる)
莉乃は自分の胸をみた
(えっ、松島くんの手だよね)
「やわらかい……お……もち」
(おもち?)
「ま、松島くんおもちじゃないよ」
和翔は目が覚めてきた、ごそごそ動きはじめる
「う~ん」
(や~手……)
「あの、起きて」
和翔は目を開けた
目の前には後ろ向きの莉乃の姿があった
「あの、手と足を離して……」
「手?」
やっと和翔は莉乃の胸を触っていることに気づいた
「おもちじゃなかったんだ、やわらけぇ、始めて女の胸触った」
言いながらまだ揉まれる
「寝ちゃってた、何でお母さん起こしてくれなかったんだろ?」
「多分俺のせい、俺寝てて無理に起こしたら暴れるらしい」
「そうなの?」
「らしいよ」
莉乃に抱きつく
「女の子ってやわらけぇんだな」
「それは私にお肉があるからじゃないかな、あのそろそろ離してもらっても……」
「やだ」
ノックがあった
「起きなさい」
「起きてる」
「莉乃ちゃんは?」
「ここです」
和翔にすっぽり抱かれていた
「見て、抱き枕」
「あら、ほんとねってバカなことしてないでご飯よ」
「あー、午前練か……」
和翔と莉乃はダイニングで朝食を食べる
「すみません、寝ちゃって」
「和翔を起こせないからこっちもごめんね、再来週また飲む予定よ」
「また一緒に寝ていいのか?」
「何でよ」
「よく寝れたから」
「それはあんたが莉乃ちゃんを抱き枕にしてベッドから落ちてないからだよ」
「松島くん、ベッドから落ちるの?あのベッドシングルじゃないよね?」
「うん」
「その身体で落ちたら下に響くだろうね」
「そっちの心配?俺の身体じゃなくて?(笑)」
「ベッドが低めだったから身体は大丈夫かなって(笑)」
「落ちるから低めにしてるのよ、柵は当たって痛いっていうから」
「そうなんですね、ごちそうさまでした」
莉乃は食器を下げる
「置いておいていいわよ、お父さん起きたらまとめて洗うから」
「はい」
「使い捨ての歯ブラシ洗面所に置いてあるから使っていいわよ」
「二階あがってろよ」
「ありがとうございます」
莉乃は洗面所に向かった
「何か和翔だけうれしそうね、付き合うの?」