そして土曜日の夕方


「こんばんはー」

「上がってー、家すぐわかった?」

「うん、ゴールあるからわかった、庭広いね」

「ゴールつけたかったからね、家は狭いよ、どうぞ」

「庭で焼くんじゃないの?」

「子供達がゴール使うからベランダで」

高島家三人は二階に上がっていく

「ベランダ広い、いいなあ、うちはリビング広くとったから庭が狭いの」

莉乃の母親はベランダから下を見下ろす

「乾杯しよ」

母親二人でハイテンションで話がはずむ

六人で乾杯する

「乾杯~」

「これ、莉乃が作った炊き込みご飯のおにぎり」

「ありがと、和翔が炊き込みご飯大好きよ、ねっ」

「本当?」

「うん、五杯くらい食う」

「莉乃ちゃん、料理できるんだね」

「手伝うことはしますね」

「和翔くんは一人っ子?」

「兄ちゃんが県外でバスケしてる、大学一年よ、あーおいしい、月1くらいで飲みたいね(笑)」

「母さんは飲む話ばっかだな……父親二人に肉焼かして」

「いいでしょ、最近生意気なんだから、先週さ、ここまできてた」

喉をおさえる

「穂乃でしょ?」

「母さんは口が悪いんだから程々にしてよ」

「私は聞き流すのでどうぞ発散させてください(笑)」

「莉乃ちゃん、いい子ねー、和翔、嫁にもらいなさい」

「ぶっ、いきなり何言い出すんだよ、まだ酔ってないだろ?まだ高1だぞ」

「お母さんもイケメン大好き、和翔くん、莉乃をもらってやってください」

「お母さんまで……」

「じゃあ、父親同士も乾杯ということで」

「乾杯」


二人は照れて下を向く

「えっと、肉食ってさっさと逃げようぜ、親って恥ずかしいな」

「う、うん」

二人は肉を食べ始めた

「おにぎり旨い、母さんこの味覚えてよって聞いてないし……」

「簡単に作れるよ(笑)、あんまり具だくさんにするとおにぎりにしずらいからうちのはシンプルなの、お茶漬けも美味しいよ」

「食いたい(笑)」

二人は食事を終え、庭に出た

「何する?1 on 1?」

「無理だよ~身長差あるし、松島くんの頭にボールあったら私届かないもん」

「じゃあパス出すからシュートな」

「うん」

和翔は莉乃にシュートを教える

30分後二人はベランダに戻ってきた

「ハアハア、飲み物ください」

「クーラーボックスに入ってるわよ、何したの?」

「シュート練習、フォーム直したほうがいいと思って……ボールに回転かかるんだよ」