部活終わりに女子四人は門に向かって歩いていた
「あっ、ごめん、お先」
穂乃が走っていった
穂乃の走っていった先は直哉のところだった
「えっ……ひどい穂乃……」
絵里が涙ぐむ
「どうしたの?」
「私ね、最近川崎くんの事少しいいなって思ってて穂乃にもこの間話したの、今日も莉乃と話した後に話かけてくれてね」
「バーベキューの時、最後の方、四人くらいで話してたよね?」
「私の為に話そうとか男子達と遊びに行こうとか言ってくれてたのになんで一緒に歩いていくの?」
「私自転車だから後つけてみるよ、また連絡するね」
静香が自転車でゆっくり後をつける
「穂乃が絵里の為に行ったかもしれないしまだわかんないよ」
「莉乃と話した後ね、この間で男子は穂乃のこと引いたって言ってた……」
「じゃあ川崎くんが穂乃を選ぶことはないから大丈夫だよ、でも……穂乃が好きになることはあり得ないことではないよ」
「莉乃……」
「どした?」
篤志が声をかけてきた
絵里は下を向いた、莉乃がごめんと手を合わせた
「篤志、いくぞ」
和翔はすぐ反応し二人は帰っていった
絵里が少し落ち着くまで待った
「絵里、私達もここにいても仕方ないし静香から連絡入るよ、帰ろう」
「うん、ごめん、取り乱して……」
絵里と別れて莉乃は駅に着くと和翔が待っていた
「あれ、どうしたの?」
「泣いてたんだろ?内谷もいなかったからさ、気になって……」
「うん、でも言っていいのかな……実は……」
二人は歩き始めた
「そっか、まあ付き合うことはないと思うけど」
「わかるんだけどね、女子にとっては絵里の為か自分の為なのかってことが重要なのよ、最近絵里も穂乃のだらしなさにイラついてたから特にね……」
「お前って……中学の時そんなにしっかりしてたっけ?」
「普通だよ(笑)、中学の時は部員も多かったし、そんなに話したことなかったじゃない」
「バーベキューの時もよく動いてるなと思ってた」
「あれは慣れ(笑)うちでよくしてるからだよ……土曜日ってバーベキューセット持っていったほうがいいのかな?」
「聞いとく(笑)シュート教えちゃるからな」
「やった~」
莉乃は自分で拍手した
「あっ」
携帯が鳴った
「本屋に入って出て別れたって」
「何がしたかったんだろう」
「だよね(笑)」
次の日
「なあ、長野聞いてくれよ、昨日何故か内谷がついてきたんだけど……」
「何がしたかったんだろうね、川崎くん気にいられたのかな?(笑)」
「マジ勘弁……」