次の朝、日曜日
「痛……身体が筋肉痛だ」
莉乃はゆっくり身体を起こし階段を下りていく
「おはよう、身体が痛い……」
「おはよう、いいことじゃない筋肉痛になるまで練習出来て(笑)、来週松島さんとこで飲み会するから」
「いつの間に?」
「二人で決めちゃった、あとお金、男子1000円、女子800円で」
「わかった連絡入れる」
部活が終わると和翔が莉乃に寄ってくる
「高島、これ男子のぶん6000円入ってるから」
和翔は封筒を莉乃に渡した
「早いね(笑)、ねぇ体育館代は?」
「今回はうちの母さんが出すって」
「コーチ料払わないといけないくらいなのに」
「いいんじゃないか、母さん喜んでたから、あっ、土曜日聞いた?」
「うん、今朝聞いた、いつの間にって(笑)」
「うち、ゴールあるから打てるよ」
「楽しみ!教えてね」
「うん、じゃあ」
莉乃は部室に戻った
「莉乃おつりある?」
絵里は千円を出した
「あっ私ちょうどあるからじゃあ私が二百円渡すね」
「ありがと」
「じゃあこれ二人で1600円ね」
静香が封筒で渡す
「私今日持ってきてない」
「わかった」
静香と絵里は顔を見合わせた
火曜日の昼休み廊下を歩いていた莉乃を絵里は見つけて声をかける
「莉乃」
「ん?」
絵里が教室の窓から呼ぶ
「穂乃ってお金持ってきた?」
「まだよ、明日持ってこなかったらうちのお母さんが穂乃のお母さんに言うって言ってた」
「あたしさ、お金にだらしないの嫌なんだよね……この間200円貸してさ返してくれないの、最近一緒にいたくなくて」
「じゃあ千円もらうことにするよ」
「もう絶対貸さない、今までごめん、私、自分の意思で動くことにする」
「うん、そのほうが絵里の為だと思うよ、じゃあまた部活でね」
「今の高島?」
同じクラスの直哉が話かけてきた
「あっ、うん」
絵里の顔が少し赤くなった
「部活のこと?」
「穂乃の事、この間のお金まだ持ってきてないみたいで、私も前に貸したの返してくれないから一緒に返してもらうようにしたの」
「男子は次の日全員渡したよ」
「私と静香も渡したよ」
「焼きそば交換から男子はみんな引いたからな」
「私もちょっと最近一緒にいること考え始めたの、でも一人にもできないし」
「優しいんだな」
「そんなことないけど……あの一緒だと思わないで……」
「ハハッわかったよ」
直哉は友達のところに戻っていった