「そのままの意味よ。彼女の願いをかなえているということは、同時にあなたの親友の願いもかなえているのよ」

「あ!」

冷静な口調で女神様にそう言われて、僕の口が自然と半開きになった。

ーーーーーーたしかにそうだ。つぼみの転校を引き伸ばしていると同時に、僕は尊人の願いもかなえていることになっていた。

女神様の言葉を脳内で理解した僕は、複雑な気持ちになった。

「親友に対して嫉妬心を抱いているのなら、彼女の願いをかなえる必要なんてもうないんじゃないの?そうしたら、彼女と親友は別れることになるでしょ」

見た目とは裏腹に、女神様は悪魔のような案を僕に提案してきた。

「女神様のくせに、悪魔みたいなことを言うんだね」

僕は、冷たい声で言った。

「失礼ね。私がもし悪魔だったら、もっとひどい案をあなたに提案してるわよ。私は女神として最善のアドバイスをあなたにしてあげてるつもりだけど」

そう言って女神様は、不満そうな顔をした。