「えっ!」

その言葉を耳にして、思わず僕は驚きの声が口から無意識に出た。

僕を見つめている彼女の瞳はうるんでおり、なんだか心臓の鼓動がドキドキとうるさくなる。

「もしも、私の願いが神様に届かなかったら、私たちこのまま別れることになるんだね」

そう言ったつぼみの声は、さみしそうだった。

「………」

彼女のさみしそうな声を聞いて、僕はすがるような目で窓の外に視線を向けた。

午前中青空が広がっていたが、今はどんよりとした重たい雲が空を覆っていた。

「ねえ、神宮君。今日、一緒に帰らない?」

「えっ!」

視線を戻すと、彼女の顔が僕の瞳に映った。

「ねぇ、神宮君」

わずかに細い首をかたむけて、つぼみは笑顔でそう言った。

「いいけど……」

かすかに頬を赤くして、僕は小さな声でそう言った。