「はぁ」

僕は深いため息をついて、イスに座った。

神様にお金を納めて願いが叶うのなら無限の休みと、撒いたら一生雑草が生えてこなくなる薬が欲しいと思った。

今日の朝食は、こんがりと表面をきつね色に焼いた食パン。水色のマグカップに入った、牛乳。それと、僕の苦手な野菜だった。

僕はマグカップの取っ手を軽く右手で握って、牛乳を半分ぐらいまで飲んだ。冷蔵庫で冷えた牛乳が僕の喉を通って、胃に流れる。

「ふぅ」

僕は、口から深いため息をこぼした。

台所から、ジャブジャブと母親が食器を洗っている音が聞こえる。

「願、野菜もしっかり食べなさいよ。体にいいんだから!」

母親は厳しめの口調で、僕に野菜を食べるように言った。

幼いころから、〝野菜を食べなさい〟と母親に言われ続けているが、高校生になった今でも僕は食べる気がない。