「突然の発表でみんなには驚かせてしまうかもしれませんが、今日でこの学校が私の最後になります」

口に大きく息を吸い込こんで、つぼみははっきりと言った。

「えっ!」

彼女の突然な発表を聞いて、僕の思考が停止する。

彼女の言ったことが理解できず、僕は呆然と教壇に立っているつぼみにを見つめた。静かだった教室が、かすかにざわめき始めた。

「三年ほど前から心臓病で入院していた母親の体調が悪化し、もっと大きな病院で入院することになりました。そのため、私は転校することになりました」

つぼみは、潤んだ瞳でクラスメイトに行そう伝えた。

つぼみの父親は早くして病気で亡くなっており、母親しかいないことも知っていた。その母親も海沿いの近くにある病院でずっと入院していたことは知っていたが、明日も明後日も会えると思っていただけに、彼女からの突然な別れが信じられない。