教室に入ってらせん階段をのぼって、僕は二階にある一番奥の教室に向かう。開いてる窓から日差しが差し込み、僕の黒い影がわたり廊下に映る。

「おはよう」

僕たちの少し前を歩いていたつぼみが、教室の扉を開けて明るい声であいさつをした。

神社で会ったときはなんだか元気がないように感じたけれど、今の彼女の明るい声を聞いて少しほっとした。

「おはよう」

彼女に続いて、僕も教室に入った。

「おはよ」

僕に続いて、尊人も教室に入る。

幼稚園からの付き合いなうえに、教室も三人一緒だ。

僕は教室のドアの入り口から、窓際の席に向かった。夏休みに入る前に席替えをして、僕は窓際の席になった。席替えをして尊人とはかなり離れてしまったが、代わりに僕は広瀬ととなり同士の席になった。