太陽が西に沈み始め、空があかね色に染まっていた。夕日に照らされた青い海が、オレンジ色に映っていた。

「きれい」

砂浜に座りながら、つぼみは夕日に照らされたオレンジ色の海を見つめて言った。

「うん」

つぼみのとなりに座っている僕も、首を縦に振った。

昼間の青い海もきれいだったが、夕日に照らされたオレンジ色の海も美しく感じられた。

「ねぇ、私との約束まだ最後に残ってるでしょ。覚えてるよね?」

「覚えてるよ」

そう答えて、僕はつぼみから手渡されたべんとうを箱を手に取った。

かわいらしいピンク色のべんとう箱だったが、中身は僕のきらいな野菜が入っていると思うと、食欲が失せる。

「開けて。私ががんばって、願のために作ったんだから」

つぼみにそう言われて、僕はべんとう箱のふたを右手で開けた。ふたを開けると、べんとう箱の中身はやはり僕のきらいな野菜が入っていた。

「ウッ」

野菜を見ると、僕の顔は思わず嫌そうになる。