「好きだよ、願」

つぼみは僕の胸に飛びついて、白い頬を少し赤くした。

ーーーーーードクッ。

つぼみの口からかすかに聞こえた、〝好きだよ〟という、四文字の言葉が僕の心に切なく響いた。

「つぼみ………」

愛する彼女の名前を口にして、無意識に僕はつぼみの背中に手を回した。

服の上から伝わる、つぼみのやわらかな肌を手のひらに感じて、僕の顔がかすかに赤くなった。

ーーーーーー僕も、つぼみのことが好きだ。大好きだ。つぼみと別れるなんて嫌だ。

そう思うと、自然とつぼみを抱きしめる力が強くなった。

「やっぱり願も、私と別れるの悲しいんだね」

抱きしめる力が強くなって気づいたのか、つぼみは僕の背中に手を回した。

「そりゃ、悲しいよ。だって、好きだから。僕も、つぼみのことが好きだから」

それは、告白だった。うまく言えてるかわからないけど、自分の口からこんなにも正直な思いをつぼみに伝えたことにふしぎとはずかしくなかった。