翌日、僕は午前八時三十分に目をさました。

「昨日、つぼみとキス……したんだよな」

僕は昨日つぼみとキスしたことを思い出し、自分の唇に手をそっとふれた。

こんなにもしっかり覚えているということは、夢ではないということがわかった。

「初キス、つぼみと………」

それを思い出すだけで、僕の頬が赤くなった。

つぼみとした初キスは短ったけれど、僕の人生で一生残る大切な思い出になった。

障子から差し込む太陽の光が昨日よりもなんだか暑く感じて、僕は窓に視線を向けた。

「暑いなぁ」

そう言って僕は、ふとんから起き上がった。起き上がると、ふとんが汗で染み込んでいた。それと同時に、着ていたTシャツも汗が染み込んでいたことに気づいた。

「え、汗………?」

驚いた顔で自分の首回りをぬぐうと、僕の指先にとうめいな液体が流れていた。それは、まぎれもなく汗だった。

僕は慌てて、閉めていた障子と窓を両手で開けた。窓を開けると、秋とは思えない照りつけるような日差しが、まぶしい太陽から降りそそいでいた。

ーーーーーーほんとうに、夏になってる。

僕は額から流れた汗を手の甲でぬぐって、ぼうぜんと青空を見つめた。