「それは、むりだ」

「どうして?」

女神様に願いを拒否され、僕は焦った様子になった。

ーーーーーーどうして、むりなんだ。一万円神社に納めたら、どんな願いもかなえてくれるんじゃなかったのか?

一秒一秒つぼみと別れる未来に向かっている現実が、悲しかった。

「お金で、お金を増やすことはできない。そんなことをしたら、無限に願いをかなえてしまうことになるからね」

「いいじゃないか?一生、好きな人と一緒にいられたら。なにが、ダメなんだよう?」

僕は、強い口調で女神様に反論した。

彼女に対する愛情が深いせいか、僕の愛情は、ほぼ束縛にも近かった。

ーーーーーー彼女とは………つぼみとは別れたくない。だってこの先、こんなにも人を好きになることなんて、僕の人生でないと思うから。

「……君のことが好きならね」

「えっ?」

「彼女も君のことが好きなら、同じことを言ってるだろうね。『別れたくない』って」

「なに言ってんだ?」

女神様の言葉を聞いて、僕はむっと眉間にしわを寄せた。